三菱自動車燃費偽装問題、振り返ってみて真の原因は?

2004年のリコール隠し問題で経営危機に陥ったことは、記憶に残る。古傷をえぐり出すようだが、この時は重機運搬大型トレーラーのタイヤハブの破損が原因で、走行中の大型トレーラーからタイヤがホイールごと外れて、下り坂を50m転がり、道路脇歩道を歩いていた主婦の背中を直撃したものである。タイヤは直径1m、幅28cm、ホイールを含めたタイヤ重量は140kgになる。主婦は死亡、長男と次男が軽いけがをした。

原因はタイヤハブの金属疲労による亀裂から破損し、タイヤとホイールの脱落に至ったものだ。ハブ強度の不足という調査結果が出たにもかかわらず、整備不良による摩耗がハブ破損につながると結論づけ、リコールを回避していた。ハブ破損によるタイヤ脱輪事故は、これより以前に10車種以上にわたって、顧客からクレームが持ち込まれていたが、社内で隠蔽されリコール手続きにつながらなかった。

そしてついに、違法なヤミ改修のつけがまわり、神奈川県警による本社の家宅捜査で、元役員5人を道路運送車両法違反容疑、及び元管理職2人を業務上過失致死容疑で逮捕、国土交通省は、三菱自動車を道路運送車両法違反容疑で刑事告発した。

そして今回の燃費不正問題であるが、問題の源流はどこにあったのか。2004年の経営危機で、同社の再建に関わった役員の方の、その時の調査で明らかになったのは、驚くべき企業風土であった。

まず、自分が属する部以外には責任を持たない、上司にモノを言えない、隠蔽体質だった。更に、親会社の三菱重工出身者に頭が上がらない。三菱重工の社風を受け継ぐ開発部門の絶対的権限、品質管理部は「落ちこぼれ」という認識。人事ローテーションが極端に少なく、長期間の不正を防ぐ仕組みがない。あげくの果ては、メインバンクの三菱東京UFJ銀行が資金繰りを助けてくれるだろうという甘えの蔓延。

この企業風土の改革に取り組まれた、2004年の事業再生委員会の方の努力により、CSR(企業の社会的責任の重要性の意識づけ、国・地域などとの信頼関係の構築)を企業理念に導入し、風土改革に着手されていたのだが、突如、メインバンクの要請で、この再生計画は頓挫し、メインバンク側の計画に差し替えられる。

増資と融資の格付けを上げるために、三菱自動車は再び三菱重工の傘下に入った。三菱3社のくびきを脱して、事業再生委員会が社内風土改革を進めようとしていた機運は、ここで失われたようである。企業の抜本的再生が、現場の意識改革なくして達成することは不可能であろう。

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